イントロダクション
障碍をもつ兄妹が犯罪に手を染めるとき、二つの人生が動きだす―
港町、仕事を干され生活に困った兄は、自閉症の妹が町の男に体を許し金銭を受け取っていたことを知る。罪の意識を持ちつつも、お互いの生活のため妹の売春の斡旋をし始める兄だったが、今まで理解のしようもなかった妹の本当の喜びや悲しみに触れ、戸惑う日々を送るのだった。そんな時、妹の心と体にも変化が起き始めていた・・・。
ふたりぼっちになった障碍を持つ兄妹が、犯罪に手を染めたことから人生が動きだす。地方都市の暗部に切り込み、家族の本質を問う、心震わす衝撃作―。
ポン・ジュノ監督の元で研鑚を積んだ日本人監督による初長編監督作!
監督は『TOKYO!』(08)※ポン・ジュノ監督パート、『母なる証明』(09)、『マイ・バック・ページ』(11)、『苦役列車』(12)など、ポン・ジュノ監督作や山下敦弘監督作に助監督として携わった片山慎三。本作では脚本と編集も自身で行い、一年間、季節ごとの撮影を繰り返し完成まで二年以上かけた、まさに心血を注いだ妥協なき骨太な傑作だ。
兄を演じるのは、冨永昌敬監督作『ローリング』(15)での演技が印象に残る名バイプレーヤー、松浦祐也。妹を演じるのは瀬々敬久監督作『菊とギロチン』(18)で女力士役に挑戦し、本作でも体当たりの演技を見せる和田光沙。また産婦人科医役で、1980年代の日活ロマンポルノを代表する女優、風祭ゆきが特別出演しているのも見逃せない。
ストーリー
また、真理子が居なくなった・・・
自閉症の妹のたびたびの失踪を心配し、探し回る兄の良夫だったが、今回は夜になっても帰ってはこない。
やっと帰ってきた妹だが、町の男に体を許し金銭を受け取っていたことを知り、妹をしかりつける。
しかし、罪の意識を持ちつつも互いの生活のため妹へ売春の斡旋をし始める兄。このような生活を続ける中、今まで理解のしようもなかった妹の本当の喜びや悲しみに触れ、戸惑う日々を送る。
そんな時、妹の心と身体にも変化が起き始めていた…。ふたりぼっちになった障碍を持つ兄妹が、犯罪に手を染めたことから人生が動きだす。
2019年、日本映画界に新たな衝撃、新たな伝説が生まれようとしている。
キャスト
道原良夫 役松浦祐也
1981年4月14日生まれ、埼玉県出身。俳優・曽根晴美の付き人を経て俳優となる。『押入れ』(03/城定秀夫監督)でデビュー。映画・ドラマをはじめ舞台やCMなど幅広く活躍。代表作に『初恋』(05/塙幸成監督)、『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『ローリング』(15/冨永昌敬監督)、『エミビアのはじまりとはじまり』(16/渡辺謙作監督)、『AMY SAID エイミー・セッド』(17/村本大志監督)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18/冨永昌敬監督)、『船長さんのかわいい奥さん』(18/張元香織監督)、『泣き虫しょったんの奇跡』(18/豊田利晃監督)、『空母いぶき』(19/若松節朗監督)、『ウィーアーリトルゾンビーズ』(19/長久允監督)などがある。
『岬の兄妹』は有名俳優や潤沢な予算のある作品ではありません。内容もなかなか人が手を出さない事に向き合っています。ただ映画祭での初上映の時、会場から大きな笑いが何度も起き驚きました。作品の熱量は必ず観客に伝わると信じて映画を続けています。どうぞ観てやってくださいませ。
道原真理子 役和田光沙
1983年12月30日生まれ、東京都出身。『靴が浜温泉コンパニオン控室』(08/緒方明監督)でデビュー。映画を中心に、定期的に舞台にも出演。代表作にMOOSIC LAB 2014で審査員特別賞を受賞した『あんこまん』(14/中村祐太郎監督)、『なりゆきな魂、』(17/瀬々敬久監督)、『菊とギロチン』(18/瀬々敬久監督)、『止められるか、俺たちを』(18/白石和彌監督)、『ハード・コア』(18/山下敦弘監督)などがある。
監督の掛け声の下、みんなで色んなボールを出し合い、筋書きの無い物語を積み上げ、映画『岬の兄妹』が完成し、ご支援のもとに上映していただける事になりました。どうか心の一番素直で、自由な目で、この映画を見届けていただけたら幸いです。平成を仕舞う永久不滅の人情喜劇です。
溝口肇 役北山雅康
1967年4月15日生まれ、京都府出身。『ダウンタウンヒーローズ』(88/山田洋次監督)でデビュー。『男はつらいよ』では第40~49作まで、『釣りバカ日誌』では5~20(ファイナル)まで出演。山田洋次監督作の常連俳優だ。代表作に『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98/本広克行監督)、『雨の町』(06/田中誠監督)、『グッドモーニングショー』(16/君塚良一監督)、ドラマ「牙狼~makaisenki~」(11/TXほか)、「仮面ティーチャー」(13/NTV)、「銭形警部」(17/NTV、WOWOW、hulu)、「ミス・シャーロック」(18/hulu)など、映画・ドラマをはじめ舞台やCMなど幅広く活躍する。
監督/スタッフ
監督片山慎三
1981年2月7日生まれ。大阪府出身。中村幻児監督主催の映像塾を卒業後、『TOKYO!』(08/オムニバス映画 ※ポン・ジュノ監督パート)、『母なる証明』(09/ポン・ジュノ監督)、また、『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『苦役列車』(12/山下敦弘監督)、『味園ユニバース』(15/山下敦弘監督)、『花より男子ファイナル』(08/石井康晴監督)、『山形スクリーム』(09/竹中直人監督)などの作品に助監督として参加。監督作として「アカギ」第7話(15/BSスカパー)、青森の斜陽館で上映されているシュートムービーアニメーション『ニンゲン、シッカク』(17)などがある。また、現代アーティスト村上隆のアニメシリーズ『シックスハートプリンセス』の5話、6話、7話の脚本も担当している。
貧困、障害、性、犯罪、暴力…そういったものを包み隠さず描きました。観た方の価値観が変わるような映画になればと思いながら一切の妥協なしで二年間かけて作りました。是非、一人でも多くの方に観てもらいたいです。ありがとうございます。
撮影池田直矢
1980年9月13日生まれ。撮影を高間賢治、阪本善尚、小林元、木村大作に師事。撮影助手として参加した作品に『ソラニン』(10/三木孝浩監督)、『スマグラー おまえの未来を運べ』(11/石井克人監督)、『みなさん、さようなら』(13/中村義洋監督)、『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』(13/御法川修監督)、『北のカナリヤたち』(12/阪本順治監督)、『追憶』(17/降旗康男監督)、『散り椿』(18/木村大作監督)、撮影作品に『泣き虫ピエロの結婚式』(16/御法川修監督)、『レオン』(18/塚本連平監督)、『スウィート・ビター・キャンディ』(19/中村祐太郎監督)、日台合作映画『PARADISE NEXT』(19 ※公開予定/半野喜弘監督)などがある。
撮影春木康輔
日活芸術学院卒業後、2009年よりフリーランスで活動開始。映画、CMなど多くの映像制作現場に撮影助手で参加する傍ら、インディペンデント作品に撮影で携わる。主な撮影作品に『どんずまり便器』(12/小栗はるひ監督)、サウスハンプトン国際映画祭で最優秀外国語映画賞を受賞した『SUMMER TIME』(14/札内幸太監督)、PFFアワード2014 ジェムストーン賞を受賞した『ネオ桃太郎』(14/小田学監督)、『この音が聴こえているか』(15/戸田彬弘監督)、『あなたの記憶を、私はまだ知らない』(16/佐藤リョウ監督)、『万葉の結び』(17/濱谷裕平監督)、『ライズ-ダルライザー THE MOVIE-』(18/佐藤克則監督)などがある。
音楽高位妃楊子
1993年2月14日。東京都出身。作曲家、編曲家、ピアニスト。3歳でクラシックピアノ、エレクトーンを始める。6歳で作曲を学び始める。幼少期から数々のコンクール、発表会に出演し、自作曲でプロの器楽奏者と共演。都立青山高校に入学、管弦楽団部に所属し、打楽器を学ぶ。2011年、東京藝術大学音楽学部作曲科へ現役で入学。在学中より、ミュージカルの作曲や音楽監督、ダンス、映像作品、ポップスの編曲など幅広く手がける。2015年、同大学を卒業。現在は映画やTV、舞台や新体操への楽曲提供、シンガーのピアノサポート、都内のゴスペルスクールのピアノ講師、ホテルやバーでの演奏、ダンサーとしてPV出演など、アーティストとしてジャンルを問わず活動中。これまでピアノを 林田直子、佐伯真魚、山城浩一に、作曲を喜久邦博、宮崎茂、森垣桂一、安良岡章夫、各師に師事。